音楽系女子のコン活事情

クラシック音楽に興味はあったけど、機会がなかったあなたへ。【コン活(=コンサート鑑賞活動】おすすめします

幼き頃の浅田真央選手、魅せるミュージカルスター、40年後のアルゲリッチ。(「読響サマーフェスティバル2015」レポート)

 

アートリンクスの井坂さんにお誘いいただき(ありがとうございます!)

読響サマーフェスティバル2015に伺ってきました!

 

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プログラムは、「三大協奏曲」。

ヴァイオリンはメンデルスゾーン、

チェロはドヴォルザーク、

ピアノはチャイコフスキー……という、

人気投票を行えば1番になるような曲ばかり。

 

料理でいうと、ステーキと寿司とカレーって感じですね。

どれも大人気のメインディッシュが一夜で全部楽しめるなんて、なんと贅沢なのか…!!

音楽でよかったです。ビュッフェならお腹いっぱいになっちゃう!笑

 

幼い頃の浅田真央選手を彷彿とさせる服部百音さん、ミュージカルスターのごときアンドレアス・ブランテリドさん

 

ヴァイオリンの服部百音さんは

チラシの写真と似た雰囲気の、ふんわりとしたピンクのドレスを着て登場。
ドレスから伸びる腕の、あまりの華奢さに驚き…!
 
とても小柄で、ヴァイオリンを構える姿は
まるでオルゴールの人形のよう。
でも、そんな印象も最初だけでした。
 
着実に決めてくる超絶技巧、ふんわりと清らかに歌われる旋律、”聴衆に魅せること”を過剰に考えていないからこそにじみ出る存在感…。
曲が進んでいくうち、私のなかで服部さんの姿は
フィギュアスケート選手の浅田真央さんと被っていきました。
 
 
浅田選手も16歳くらいのころから、ものすごい才能の片鱗を見せつけてくれたけれど
「神童」や「天才少女」と形容するのが憚られる努力家なのは周知の通り。
美しく完璧な演技の節々に見える、苦労と試行錯誤の爪痕。
かといって、力づくで限界まで能力を押し上げたようなギスギスした感じもなく
まだまだ伸びしろを感じさせる、青々とした感性。
(服部さんも、演奏をどんなに賞賛されても舞台裏で「悔しい…!」と泣けるタイプだろうな、と勝手に妄想)
 
最初に感じたオルゴール人形のイメージは徐々に消え去り、
曲が進むにつれ、名前通りの「百種類もの音」に引き込まれていました。
危なげなく曲を終え、恥ずかしそうにぴょこんと首を傾げたときに、そのギャップにクラっときました。ああ、この子はまだ16歳くらいだった…!
 
これから服部さんは、長い長い演奏家人生のなかで酸いも甘いも積み重ね、
浅田真央選手のように、毎回味わい深く驚異的に進化していく人になるんだろうなーと思いました。
(下野さんがまるでお父さんのように終始見守っていて、そこも素敵だった…!)
 
 
 
チェロのアンドレアス・ブランテリドさんは、まるでミュージカルスターのようでした。
すらりとした見た目もさることながら、彼自身の声帯から響くかのようなチェロの歌う表現。
佇まいさえ計算されつくされた、魅せることに慣れた青年の色気がそこにありました。

ティーンの服部さんによる無垢な演奏の後だったから、余計にそう思うのでしょうか……。

 
彼のチェロの音はぼわっと浮き立ってくるけど、自然とオーケストラにも溶け込んでしまう
高級な砂糖のよう。
遙か遠くの故郷を思い出すかのような、郷愁のまなざしが印象的でした。
 
 

そして、 注目のHJリム姉さん!

 
彼女と私のカンケイは、過去記事を参照していただくとして。 

 

classic-qupid.hatenablog.com

 

都響との共演に続き2度目となるチャイコフスキーのピアノコンチェルトを聴いて、
相変わらず主張のわかりやすい音楽表現をするなーとニヤニヤしてしまいました。笑
 
彼女が言わんとするところは、
(おそらく)こういうことなのでしょう。
 
 
「たしかに、作曲家が生きた時代の空気を敏感に感じ取ることは大事。それを演奏に取り入れなきゃいけないっていう理屈もわかる。
…とは言ったところで、パソコンもMP3もなかった時代なんて、もう私たちは想像できないんだけど?演奏者である私たちが今生きている時代のこと、演奏の中から完璧に取り去れるとでも思うの?
さらに、今の聴衆は、PA全開のバンドサウンドだって、ヘヴィメタルの轟音だって、渋谷の喧噪にだって
耳が慣れてしまっているのよ。
さあ、私たちはどうやって表現すればいいと思う?」*1
 
 
今を生きる人たちに、当時の聴衆と同じレベルの驚きをーーー。
彼女のベートーヴェンを聴いても、そんな想いを強く感じます。
 
読響さんはHJリムさんのそのあたりの主張を、すごく理解して寄り添おうとしているように感じられました。

もしかしたら、下野さんの柔軟性がより影響していたのかもしれません。

 
トラディショナルな角度から彼女の演奏を記すと、こうなります。
ペダルを濁るほど多用する、音が割れるほど鍵盤をたたきつける、
楽譜に書いていないアーティキュレーションを使いまくってオケを翻弄する。
 
許せない人は許せないと思うんですよね。
「この曲はこうあるべきなんだ!!」と、自分のなかで音楽世界ができあがっている人ほど。
 
でもこういう主張を持って演奏をする人が、「面白い」と受け入れられる業界であってほしいなと思ったりします。今は一部の界隈で、でもいいから。
だって、なんか未来があるじゃないですか! そのほうが。
少なくとも私は、ずっと面白がっていたいな、と彼女の演奏を聴いて改めて思いました。
彼女の表現が広く受け入れられるかどうかは、40年後の聴衆のみぞ知る、です。
  
私の座っている前の席で、ひたすら首をかしげていたおじいさんがいて
ちょっとニヤニヤしてしまいました。
 
いろんな意見があるだろうけど、姉さんのスタイルを貫いてほしい!
 
40年後、彼女がアルゲリッチのポジションにいたりして。
 

 

 

 

*1:これは彼女のセリフではありません。完全な妄想です。全然見当違いだったらごめんなさい姉さん!

「ハマのJACK」のお手伝いをしてきました!

 

ちょっとご報告が遅くなってしまいましたが……。

特定非営利活動法人ハマのJACKが毎年夏、みなとみらいホールで数日間にわたって行っている「わくわく遊音地」。

14日と15日の二日間、スタッフとして参加させてもらいました!

 

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ハマのJACKとは、横浜市在住の演奏家である三又治彦さん(ヴァイオリン)、白井篤さん(ヴァイオリン)、海野幹雄さん(チェロ)の3名が中心となり、ファミリー向け演奏会やワークショップを行っている団体。

長澤彩さんに声を掛けてもらい、実は去年から「遊音地」には関わらせてもらっていました。

(ブログに書いてませんが…!いつか書こっと。)

 

14日は、「ハマのJACKの自由研究『おんがく工作室』」の先生のひとりとして

楽器工作のお手伝いしたほか、

最後に子どもたちも交えた「ラデツキー行進曲」の大合奏では

JACKメンバーに混じり、ピアノ連弾で舞台に上がりました。

15日は、サン=サーンス「動物の謝肉祭」の朗読。と、注意喚起のための公演前寸劇!

寸劇以外は、去年と同じ役目をいただきました。

 

 

14日 「おんがく工作室」と大合奏

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今年も小学1年生の先生を担当。割り箸ベルと、ビーズマラカスをつくりました。

子どもたちが真剣に楽器をつくる姿はとてもひたむきで可愛くて、

毎年メロメロになります…♡

 

完成したら、作った楽器を持ってみなとみらい大ホールの舞台へ。

違う楽器を作っていた学年も合流し、JACKメンバーと一緒に「ラデツキー行進曲」の大合奏!

子どもたちの鳴らす手作り楽器に合わせてピアノを演奏すると、小学生時代の音楽発表会が思い出されて毎回ウキウキします。

ちなみに3,4年生はリード付きラッパ(!)、5,6年生はヴァイオリン(!!)を作っていました。本格的!

 

そう、なんで私が弾いてるのって話ですよね。笑

JACKメンバーの三又瑛子さんのお隣で、

すごいメンバーに混じり、おっかなびっくりキリッと上パートを弾かせてもらいました。

(まさか卒業してからみなとみらい大ホールで弾くことになるとは思わなんだ…人生っておもしろい。ピアノ専攻卒のくせに全然手が動かず、まいど本当すみません…。)

 

 

15日 寸劇と「動物の謝肉祭」

 

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16日はコメディエンヌと朗読のおねえさん。笑

写真は「動物の謝肉祭」公演後♪

 

まずは開演前の寸劇について。

演奏中にどうしても騒いでしまう子がいるということで、

鑑賞マナーをわかりやすくお伝えするため、今年から取り入れられました。

海野幹雄さんがガイド役のお兄さんをする傍ら

私は「暴れる小学1年生」となり、計3回、舞台で暴れてきました。笑

 

自分の持っている服を一番幼稚っぽく見えるように組み合わせ、

さらに髪を高めのツインテールに、そして(ほぼ)すっぴんで

JACKメンバーのみなさんには「こんな小学生いる」と苦笑(?)され、

 

写真、撮りませんでしたよ…? 恥ずかしかった…。

 

でも、注意内容さえ変わらなければアドリブも可、と言われ

「吉本新喜劇DNA」が組み込まれている関西人の血が騒ぎました。どきどき。

 恥ずかしかったけれど、めちゃくちゃノリノリで3幕を終えました。お粗末様でした…。笑

 

 

そして、動物の謝肉祭。

子どもたちが音楽をより楽しんで聴いてもらえるように

曲間の朗読をさせてもらいました。

 

台本は谷川俊太郎さんの詩をベースにした仁美オリジナルなのですが

今年はJACKメンバーのみなさんにもアドバイスを頂けたので、

去年にも増して、より音楽に溶け込んだ朗読をお届けできたんじゃないかなぁ。

 

朗読のおねえさんとして登場する直前まで暴れる小学生をやっていたため、

シックなワンピースに着替えて素知らぬ顔して現れたのに

「あ、あのおねえさん…!!」と、小さな女の子に気づかれてしまって恥ずかしかったです…。笑

 

でも寸劇の甲斐もあってか、

子どもたちが、いつにもまして真剣に、静かに聴いてくれていました。

一人でも多くの子たちにとって、この公演が素敵な夏の思い出になってくれていたらいいな~。

 

ハマのJACKさんたち

 

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「おおきなかぶ」終演後の記念撮影に混ぜていただきました♪

 

ハマのJACKメンバーは、個々でも忙しく活躍されているかたばかり。

公演の素晴らしさは言わずもがなですが、冗談も言いつつスマートに進行していくリハーサルやゲネプロは毎回すごく刺激的で、

間近で聴いている私はいつも目を白黒させています。

 

すごいメンバーが一堂に会し、子どもたちのために心を砕いて公演を企画しているんです。しかも何日間にもわたって。それにどの公演も時間がコンパクトで安い。

これを音楽系女子がおすすめしないわけにはいかないでしょう。お仕事頂いてるとか関係なく!

 

おそらく(必ず?)来年もやるはずなので、横浜近辺の人ならずとも、夏に横浜で思い出を作りたい親子にぜひ体験してほしいです。

私もお母さんになったら行きたい!

 

素敵なイベントに今年も関わらせてくださり、本当にありがとうございました!

 

ameblo.jp

【Book紹介】「楽器奏者あるある」を描いた、爆笑必至の音楽書(茂木大輔著「オーケストラ楽器別人間学」)

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(www.audio-luci-store.it)

 

日本に音楽ストリーミングサービスが普及しはじめた。

定額でどんな音楽も聴き放題となったこの機会に、普段聴かないジャンルに手を伸ばしてみてはいかがだろう。

たとえば、クラシック音楽。特に大編成のオーケストラ曲なら迫力も桁違いなので、最近の暑さにうだる身体にも効くだろう。

気分もスカッと奮い立たせてくれておすすめだ。

 

その時のお供にぜひ読んでいただきたいのが、『オーケストラ楽器別人間学』である。

 

 

オーケストラ楽器別人間学 (新潮文庫)

オーケストラ楽器別人間学 (新潮文庫)

 

 

 

著者は、オーボエ奏者・指揮者の茂木大輔氏。

たくさんの楽器奏者たちを長年見てきた彼が、緻密な人間観察と分析に基づき、本書で妄想を爆発させている。

 

チェロ奏者――広島で大学教授の家に生まれている。兄弟はいない。

(中略)家は母と同居のマンション。車はワゴン。

 

 

こうした詳細な人格設定から、楽器別デートの誘いかた、飲み会の雰囲気など、

様々な切り口から「あるある」を語る。それらの根拠も、ユニークかつ事細かい。

 

本書を初めて読んだのは、私が音楽大学へ入学した頃。

演奏楽器がピアノだったこともあり、オーケストラ関係の楽器奏者の友人は少なく、

内容に実感が持てなかったため懐疑的であった。

しかし音楽業界で働き始めてから読み返すと、その分析の的確さに、大いに笑い転げた。

 

おすすめは、第三章内の『有名人による架空オーケストラ』。

ビートたけし、ユーミン、石原慎太郎らに、著者が最適な楽器を紹介している。

楽団に所属した場合の立ち居振る舞いまで考え抜かれており、その細かさには舌を巻く。

デューク・トウゴウ、アンパンマンといった架空のキャラクターまで登場し、その真面目な分析とチョイスは抱腹絶倒もの。

軽快な文体で、すらすらと読めてしまう。

 

楽器を元素記号にたとえた『弦素、管素とその化合物』は、根っからの文系である私にはピンとこないのだが、人を選ばず笑える読み物といえるだろう。

 

本書を読んでからオーケストラ曲を聴いてみれば、奏者の顔まで見えてくる。

『楽器別適性判別クイズ』も収録されているので、自分にはどの楽器が合うのか、診断してみてはいかがだろうか。

ちなみに、私は何度やっても打楽器奏者だ。

 

 

◇ ◇ ◇

 

某所に提出した文章を、加筆修正して載っけてみました♪

 

この本、だいぶ前に敢行されたものですが面白いです。そこまで断言して大丈夫…?となるくらい妄想を膨らませているのが最高。笑

この本を読んだばっかりだったので、東大オケに余計びっくりしたところもありました…。笑

 

classic-qupid.hatenablog.com

 

 

音大オケばかり聴いてた私が「東大オケ」を聴いて新鮮だったこと(東京大学音楽部管弦楽団サマーコンサート2015東京公演)

 

 

この前お会いした @korominlife_07 ちゃんとのご縁もあって、
東京大学音楽部管弦楽団(通称・東大オケ)の東京公演(8/7)を聴いてきました~♪

 

http://www.ut-orch.com/summer2015/chirashi.jpg 

 

classic-qupid.hatenablog.com

 

 

場所は池袋の芸術劇場・大ホール。

芸劇でははじめて、顔に舞台照明が当たる距離での鑑賞でした。

(オケの皆さんにも私の顔が丸見え…なんか緊張。)

 

東大オケの演奏、CDでは聴かせていただいてたのですが、

オーケストラメンバーの表情を見ながらだと新たな発見も多かったので、まずは視覚で印象的だったことを。

 

みんな、顔つきと雰囲気がまじめそのもの!!!(特に男の子…!)

そりゃあ学校のパブリックイメージ的に、学生はまじめだろうことくらいわかっているのですが

音大のオケなら木管パートにいそうな雰囲気を持った男子たちが、

全パートにまんべんなくいるのが個人的に衝撃でした。

 

木管の男の子のイメージは、のだめのキャストで言うとこの人たち。

 

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(オーボエ)

 

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(オーボエ)

 

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(クラリネット)


…なんとなく、傾向ってありますよね?

 

◇ ◇ ◇


曲目は、モーツァルト、リヒャルト・シュトラウス、ブラームスからなる、オールドイツプログラム。
どの曲もカッチリと決めてきてました。いぶし銀な指揮者・三石精一氏の指示が隅々まできちんと行きわたっている印象。

 

指示はきちんと聞いているけれど、決して指揮者のイエスマンではなく

団員みんなが知的好奇心とワクワクを持ち、曲の1節1節と向き合っているのが感じられる演奏でした。

 

たまに音の重なりがズレるけど、それは初心者から経験者まで集めているが故なんでしょう。

実際、プログラムノートの視点も多角的で、読み物として面白かったのですが

書いている人だけではなく、みんながこの知識を共有しているんだろうな~。

 

◇ ◇ ◇

 

1曲1曲の演奏内容を詳細に語るのは、音楽評論家にお任せするとして。

私は、シュトラウス最後で拍に合わせて首をぶんぶん振ってるチェロのめがねくん(ま、まじめ…!)が気になったので、ここに記しておきます。笑

 

あと、ブラームスの終楽章ラスト。百戦錬磨のプロオケが奏でる熟成された威厳の響きではなく、ひたすら熱情に突き動かされた渦のような盛り上がり!

このひたむきなアツさは、年齢の若い学生オケならではなのかなと思いました。

 

◇ ◇ ◇

 

そして、これは刷り込みイメージの感想ではないと信じたいのだけど。笑

ドイツものが東大生とめっちゃ合う!

ドイツの国民性といえば、『真面目で勤勉』とはよく言われているところ。

日本の最高学府に入るには、誘惑の多い多感な思春期に ストイックに勉強を頑張らなければいけません。

根がまじめじゃないと、できないと思うんですね。

 

だから、真面目と言われるドイツ人の作品を真面目な(イメージのある)彼らが演奏することで、

楽曲本来の色と、東大オケの個性が綺麗にまじりあっているように感じました。

髪も染めてないどころか、ワックスもつけていない(男子)団員の朴訥とした感じがまた似合ってるんだ。

(この記事を読んだ @korominlife_07 ちゃん曰く、「ヴァイオリンパートにはワックスつけてる男子もいますよ~!」とのこと。ここにも楽器別の特徴が…!)

 

アンコールで演奏されたブラームスのハンガリー舞曲第6番も、本能に任せたお祭り騒ぎではなく、あくまでがっちりと決め込んだブラームススタイル。

眉根をキリッと寄せ、口を一文字に結んだ団員たちが ノリノリな民族舞曲を演奏している様はなんだか面白くもあり

同時に「これがドイツ人の舞踊だ!」と言われているようで、とても新鮮でした。

(私はついお祭り騒ぎに演奏してしまうタイプなので…。)

 

見た目や学校名で耳を誤魔化されてるんじゃねえよ!という声も聞こえてきそうですが

奏者たちの生活している環境や普段見聞きしているものって、多少なりとも演奏に滲み出てくると思っています。

にんげんだもの。嘘だと思ったら、一度公演を聴いてみてください!(まだツアー残ってますよ~!)

 

 

◇ ◇ ◇ 

 

コンサートの最後には、毎回恒例(らしい)、客席も巻き込んでの「歌声ひびく野に山に」輪唱。

オーケストラの優しい伴奏の上に、客席からふんわりと声が立ち昇っていくのは癖になりそう。

素敵な演出に見送られ、あたたかい気持ちと共に帰宅の途につきました。

 

◇ ◇ ◇

 

…しかし、しかしですよ。

ここまで書いててアレなんですが、

この真面目さは東大オケがもともと持つ個性なのか、それとも頭脳派集団がドイツ音楽に合わせた巧みな演技なのか…。

 

検証すべく、フランスものも聴いてみたくなったところで、今度の定期はオールフランスプログラムらしいです。気になる。

 

 

それに、東大には他にもいくつかオーケストラがあるんですよね。

それぞれカラーがどう違うのかもとっても気になります。

これを皮切りに、大学オケの世界にも潜っていきたい…!

 

(メモ:客層は小学校低学年~80代まで万遍なくて、業界関係者から見てとても理想的でした。)

夏がくれば、思い出す。(茨城県「オペラによるまちづくり」日立市ひとり旅)

本題に入る前に、お知らせを。

 

広報をお手伝いさせているメディア「Salonette」7月18日更新の記事に

東京二期会による記者会見のレポートを掲載していただきました!

ぜひご覧いただけますと嬉しいです。

 

www.salonette.net

 

麻衣さんの代わりに記者会見へ潜入し、

ドキドキしながら写真など撮ってきました。

記者会見、お手伝い側なら何度か経験あるのですが、

出席は、もしかしたら…人生初?

という、記念すべき記者会見デビュー記事となっております。

(何回「記」って書くんや。笑)

 

◇ ◇ ◇

 

さあ、本日は海の日ですねー。

三連休とはいえ取り立てて予定も入ってなかったわたしは、

SalonetteのSNSを更新したあとも、こうしてパソコンの前に座っているのですが

 

海の日といえば、この風景を思い出しますね。

 

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絶景。

以前も記事にしたのですが、

茨城県にある「日立駅」建物内からの景色です。

 

classic-qupid.hatenablog.com

 

 

いや、実際には冬に旅行したので、これは冬の海なんですけど。

これね、旅の続きはまた書きます~!なんて言ってたら全然書いてないんですよね。

 

いっぱい写真も撮ってきたのに、勿体ないな~なんて思っていたところ、

夏は日立市でオペラの一大公演をやるようですので、

今日は回想録兼、その公演の紹介にしてみようかなと思いました。

夏の小旅行の参考に、ぜひ!♪

 

SEA BiRDS CAFE(シーバーズカフェ)

 

弾丸実行した日立ひとり旅の目的はですね、

「日立駅にある『SEA BiRDS CAFE(シーバーズカフェ)』で、

絶景を見ながらパンケーキを食べる!」

だったんですよ。

我ながらアホな理由。だけどこのときは超真剣。

 

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目的は達成されました。

パンケーキがこれがまた、とろふわで甘くて美味しくて美味しくて…

 

「うますぎか しあわせすぎか うますぎか」

 

松島に驚いた俳人の気持ちがよくわかりました。ええ。

 

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お店の入り口はこんな感じ。

内装は予想に反し、少しレトロな感じでした。

 

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ちなみに、ランチタイムはコーヒー・紅茶がセルフサービスでおかわり自由。

空いてる日なら、本やパソコンを持ち込んで長居もいいかも。

前面ガラス張りの店内ではありますが、おすすめは断然窓際です。

 

 

SEA BiRDS CAFE(シーバーズカフェ)
所在地:〒317-0074 茨城県日立市旭町 1-3-20
営業時間:7:00~22:00(ラストオーダー 21:00)
定休日:年中無休

アクセス:JR常磐線 日立駅 東口

http://seabirdscafe.com/

 

8月22日(土)開催!ひたち野外オペラ公演≪マクベス≫

 

そして、せっかくだからと街に出てみました。

観光案内所で最初に訊くのは、やっぱりこの言葉。

 

「クラシック音楽の公演をやっている場所といえば、どこですか?」

 

日立シビックセンターですね、と言われたので、

ひとまずそこへ行くことに。

駅から向かうこと10分弱。

 

 

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後光がすごい。

 

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ありましたー!

 

街のなかでもひときわ大きな建物で、ここが文化の発信地!という感じ。

 

公演数は月5~6公演程度のようで、私が訪れた日は何もやっておらず残念でした…。

しかし今調べてみたら、夏休みはさすが、力の入った一大公演がありました。

 

来月8月22日土曜日に、「ひたち野外オペラ公演≪マクベス≫」が行われるようです。

こちら、私が行った2月にはすでに

衣装係や合唱エキストラを募集するチラシが貼ってあって、

「市民が作り手として、気軽に参加できるのっていいな」と感じた記憶があります。

 

http://www.civic.jp/macbeth/

こちらにある紹介動画をぜひ観てみてください。すごい規模でびっくりしました!

 

http://www.civic.jp/wp-content/uploads/2015/02/9bc8e7ac11663c6168a15d9a8d1106f7.jpg

出典:http://www.civic.jp/recruit/p5140/

 

市民とプロが一丸となって創りあげる、壮大な舞台。

さすが日立市、「オペラによるまちづくり」をスローガンに掲げるだけあります。

日立市民、茨城県民ならずとも必見なのではないでしょうか。

日立市民のひと、参加できるなんていいなぁ~!

 

日立シビックセンター開館25周年記念事業 ひたち野外オペラ第4回公演《マクベス》

公演日時:8月22日(土曜日)18時開演 *荒天時は翌日に順延

場所:日立シビックセンター新都市広場

入場料(全席指定):

Sブロック席=7,000円、Aブロック席=5,000円(完売)、Bブロック席=3,000円(完売)、Cブロック席=1,000円(ブロック内自由席)
演目:G.ヴェルディの名作オペラ≪マクベス≫

出演:大浦智弘(指揮)、古川真紀(演出)、髙橋正典(マクベス)、小川里美(マクベス夫人)、大津香津子(侍女)、伊藤尚子・鈴木啓子・岡部恵美子(魔女)、野外オペラ≪マクベス≫合唱団他

問い合わせ:日立シビックセンター 0294-24-7720

http://www.civic.jp/

 

ぜひ、マクベス公演の日にあわせて、

この夏は日立駅の絶景を拝みに行くことをおすすめします!

 

 

おわりに

 

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(電車の窓から海が見える光景って、すき。) 

 

わたしはプロの歌劇団による超一流公演も大好物ですが、

やはり気になるのは、そのお値段。

これ本当に素晴らしい公演だから!!といくらおすすめされても、

初めての経験に諭吉2枚が飛んでいくのは、心理的な抵抗がかなり大きいと思います。

 

コン活女子的には、

「もっと手軽に、お気軽に、いろんなコン活を試して運命と出逢いたいっ♡」

というマインドを大切に、まずは参加してもらうところから始めたい。

旅行ついでに思い出のひとつとしてオペラに触れて、もしその体験が気に入れば

あらためて深堀りすればいい。

なーんて思ってますよ。

 

なので、地方のおすすめクラシック音楽イベントorお店などがあったら

ぜひ私に教えてください~!

直接現地へ足を運び、取材したい!ブログで紹介させてください!

 

(東京からの往復交通費でオペラS席買えるんじゃね…?というツッコミは、なしで!笑)

 

ではではー♪

東京大学音楽部管弦楽団に在籍するJDと、ごはんに行ってきた。

ふざけたタイトルですみません。ナンパ記事ではないです。笑

 

Twitterで、4年ほど前からずっと相互フォローだったにも関わらず、

一度もお会いしたことがなかった @korominlife_07 ちゃんと

このたびご縁があって、お食事をしてきました♪

 

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(お気に入りのcaffe Michelangeloにて)

 

彼女は現役大学生。

桐朋学園の「子供のための音楽教室」という、

桐朋に入学するための予備校(!)のようなところで

ずっとヴァイオリンを習っていたのに、

進学先は東京大学…という、頭の構造がとても気になってしまう人です。文武両道ならぬ、文ヴァイ両道。すごい。

 

彼女が大学で所属しているのは、東京大学音楽部管弦楽団(http://www.ut-orch.com/)。1stヴァイオリンポジションで演奏しているそうです。

「同世代の聴衆が、同世代の演奏家を応援する社会にしたい」と願う私が、

クラシック音楽をもっともアプローチしたいと思っている20代前半に、ドンピシャで届けられるであろう場所にいる団体。

「大学オケ」という存在にとても興味を持っていた私にとって、

興味深い話をたくさん聴くことができました!

 

まず、東京大学音楽学部管弦楽団(通称「東大オケ」)とは。

1920年に発足した歴史あるオーケストラで、団員は初心者も受け付けているといいます。年によっては、初心者の比率が高くなることもあるとか。

そんな門戸の広い東大オケの公演は、「五月祭」と「駒場祭」という、ふたつの東大の学祭で聴くことができます。

 

学祭公演のほかにも年に一度の定期公演があり、毎年夏には「サマーコンサート」と称したツアーを行って、地方都市をめぐるそうです。

サマーコンサートを行った際には、地域の小学校や中学校にお邪魔し、オーケストラに気軽に触れてもらうために「音楽教室」を開いているとのこと。

 

さまざまな人へ音楽を届けるべく、積極的に活動を行っていて素晴らしすぎます。

(ほかの大学オケも、そういうことをしているのかな…?)

 

過去の定期演奏を収録したCDも聴かせていただいたのですが、

スピーカー越しでも、すごく熱気が伝わってくる…!!

 

フォルテに一体感があって、木管ソロも綺麗な響き。弦楽器ものびのび歌っている。

そして団員ひとりひとりが、真摯に楽譜と向き合ってきたのだろうなと感じさせる、

熱くも理知的なサウンドを感じました。

 

聴きくらべとかあまりしたことがないので、こういう表現をするのもアレですが、

これはオーケストラ愛好家が聴いても、かなりニコニコしてしまうクオリティなのではないでしょうか…?

それが1000円ちょっとで聴けてしまうなんて、なんて今まで勿体ないことをしていたんだろう…。

 

はい、そろそろ聴きたくなってきたみなさん、お待たせさまです。

今年の夏もこれから、サマーコンサートがはじまるそうですよ。

 

http://www.ut-orch.com/summer2015/chirashi.jpg

 

【東京大学音楽部管弦楽団サマーコンサート2015】
*横浜公演
7/20(月・祝) 12:30開場 13:30開演
@横浜みなとみらいホール 大ホール

*東京公演
8/7(金) 18:00開場 19:00開演
@東京芸術劇場 コンサートホール

*宇都宮公演
8/14(金) 18:00開場 18:30開演
@宇都宮市文化会館 大ホール

*北海道公演
8/16(日) 12:30開場 13:00開演
@札幌コンサートホールKitara 大ホール

*指揮
三石精一(当団終身正指揮者)

*曲目
モーツァルト /「魔笛」序曲
R.シュトラウス / 交響詩「ドン・ファン」
ブラームス / 交響曲第2番 二長調

*チケット
【東京、神奈川】 S席 1,500円、A席 1,000円(全席指定)
【宇都宮、北海道】1,000円(全席自由)

 

ところで、東大オケのプログラム、凄いんです。

1曲1曲、譜例まで載せた詳細な解説を、学生が自ら書いています。

曲への愛と、「伝えたい!」という想いに溢れた字面に圧倒されました。

今年の公演プログラムにも期待しています…!♡


気になったかた、自分の地元があったかたは

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

私も東京公演にお邪魔する予定です~!

 

 

おわりに

 

前に私は、ブログで「オーケストラに興味が持てない」と書きました。

ここで言う「オーケストラ」は、主に有名海外オケなど「愛好家たちが大絶賛し、首を長くして来日を待つオーケストラ」のことなんです。

聴き手である自分自身が、オーケストラに対して「演奏へのコダワリ」を特に持っていないため、

どうしても人で見てしまうというか、「誰が関わっているか」に、かなり興味を左右されてしまいます。


そして、私のこの考えは、たくさんの「クラシック音楽と接点がない人」に共通しているとも思うんです。

 

彼女が所属している東京大学音楽部管弦楽団は、総合大学の「大学オケ」であり、

音大のそれより門戸が開かれているように感じます。

(総合大学なので、メンバーひとりひとりが様々な興味関心を持つ人と交流しやすいように感じるので)


よりたくさんの「接点のない人」の関心を惹き、クラシック音楽の世界へといざなう活動をされている(そしてすることができる)、もっとも身近な音楽団体なのではないかな、と。


かねてより、全国にある大学オケのことをもっとブログでもフューチャーしたいと思っていたので、こうして今回接点が持てたこと、とても嬉しかったです。

音楽大学、総合大学問わず、いろんな大学オケを知りたいなと思っています。

しかし、たくさんありすぎて、絞るのも一苦労…。

 

この記事を読んでくださった、現役メンバーのかた!(OB&OGさんでも!)

ぜひ、立候補&推薦をお待ちしています!優先的に駆けつけさせていただきます。笑

 

 

【おしらせ】「Salonette」広報に就任しました!

 

本日より本格的に、

音楽ジャーナリスト・コラムニストの高野麻衣さんが主宰のWebサイト

『Salonette(サロネット)』

広報業務を担うことになりました!

サイトはこちら⇒ Salonette

 

Salonetteの趣旨は、こんなかんじです。(サイトより引用)

 

 

音楽が好き。物語が好き。きれいなものが好き。

だれかと劇場や美術館へ出かけるのも、ひとり読書するのも、紅茶や花や香りを楽しむ日々の暮らしもおなじくらい好き。

Salonetteは、そんなあなたのためのカルチャーライフ・メディアです。

「キライを論破して自己承認を得る」のではなく、「スキの情熱で世界を変える!」――私はそれを、自分の足で立って、美しく生きる上での指針にしています。

マリー・アントワネットのように凛としてかわいらしく、時々ピリッと。のびのびとした精神で世界を見つめる健やかさ、強さをもって。いつだってニュートラルな場所から文化を愛し、語りあい、分かちあいたい。

自由を愛するすべての人と、新しいカルチャーライフを創造できたら幸いです。

 

 

広報担当として、FacebookやTwitterなどでの記事通知のほか

ときどき寄稿・取材等させていただく予定です。

 

Salonette | Facebook

 

Salonette (@Salonette_info) | Twitter

 

ぜひぜひ、いいね!&フォローを

よろしくお願いします(><*)

 

(あ、鷲尾仁美Twitterコン活FBページも、ついでにぜひ!笑)

 

 

さっそく、本日更新の記事に

オペラ「ランスへの旅」簡易レポートを載せていただきました!

ぜひご覧になっていただけると嬉しいです♪

 

www.salonette.net

 

 

私が以前から、どれほど麻衣さんに憧れていたかは

こちらの記事に詳細に書いているので省くとして。

 

classic-qupid.hatenablog.com

 

 

大学在学中から、麻衣さん、そしてSalonetteの

「スキの情熱で世界を変える!」というスローガンに強く共感していたので、

こうして広報として関われること、とても嬉しく思っています。

 

大学生のころの仁美が聞いたら卒倒するだろうな~!笑

 

みなさんがSalonetteを通して、たくさんの「スキ!」と出逢うお手伝いができるよう、がんばります!

当ブログ「音楽系女子のコン活事情」とともに、

Salonetteもどうぞよろしくお願いいたします♪

 

 

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おまけ。

Salonette経由でこの記事に辿り着いてくださったかたに向けて

自己紹介を載せておきます。

はじめまして、鷲尾仁美です。ご興味を持っていただけると嬉しいです!

 

classic-qupid.hatenablog.com