音楽系女子のコン活事情

クラシック音楽に興味はあったけど、機会がなかったあなたへ。【コン活(=コンサート鑑賞活動】おすすめします

【雑記】"彼らはシューマン自身の2つの面を表した分身であったとも言う。"(wikipediaより)

 

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「えーん、・・・ふえーん」

 

「ん、どうしたんや」

 

「えーん」

 

「布団にくるまったまま泣いててもしゃーないやろ。どうしたんって」

 

「社会人二年目になっちゃったよぅ」

 

「せやな」

 

「ふえーん」

 

「なんや、そんなことか」

 

「…なんでそんな呑気でいられるのよぅ」

 

「むしろなんでそんなことで泣いてるんや」

 

「だってさ、周りの子たちは会社の歯車として丸一年しっかり頑張っててさ、二年目ともなると後輩も入ってきて、それなりに大きな仕事も任されるようになってさぁ」

 

「せやな」

 

「なんていうの、丸一年以上差がついてしまったことによって、私のなんていうの、社会的信用というか、一人で暮らしていくお金も稼げないままお前は一体なにをやってるんだという思いが強くってさ……」

 

「…お前なぁ」

 

「ひくっ」

 

「そんなすぐどうにかなるような仕事を選ばへんかったのは自分やろ!!」

 

「そ、そうなんですけど……」

 

「ライター業やって、司会業やって、お前が趣味ゆーてるピアノ演奏やって全部そうや。食っていくのが難しい難しい言われてる仕事ばっかり好き好んでる癖に、今更稼ぎの話するんか?」

 

「うう、その通りなんですけど…」

 

「そもそもや。お前、この一年間、死ぬ気で、血反吐出るまでやったんか」

 

「……。」

 

「一日一日すべて、一分一秒残さず有意義な使い方してると自信もって言えるんか」

 

「いえ、全然です……」

 

「ほれ見い!!!そうやってな、布団でグズってる暇があるんやったら、ひとつでも多くのブログ記事更新したり企画書のひとつでも作って売り込みに行ったらええやんけ!!

この一年、いや、この二十三年間ずっと見てきてな、気分にムラがあるから~とか言うては逃げてるお前がほんまにムカつくねん。私が出てくるまで待ってみよう~みたいな考え方やったらいつまでたってもお前の願いは叶わん!ぜんぶ割り食うのは私や。私がシャカリキにやって、お前がその分『頑張った分反動が…』とか言ってそうやって寝込むからな、結局プラマイゼロやねん。なんならマイナスやーーーー!!!!」

 

「ごごごごめんなさいっ」

 

「謝る気があるなら行動せぇ。最近お前は昔からの欠点のひとつであった『テンパり癖』を改善しつつあるようやけどな、生き急がへんことと自分の精神状態を考慮して行動を制限してあげることはイコールやない。そんなのはただの甘えや。自分でもわかってるんやろ?」

 

「…その通りです」

 

「だから最近になってやたら体調崩したり病んだりしてるんやんけ!そんなもん全部行動できてないことへの自己嫌悪や。だったらやることは一つやろ」

 

「行動します」

 

「そうや。やっと布団から出てきてくれたな。もしまたしんどくなったらこうして話しよや。そのほうが冷静に状況考えられるんやろ?」

 

「うん。ありがとうね、仁美」

 

「もーほんま世話焼けるわ。ていうかなんで私の口調はこんなガラ悪いん」

 

「言ったじゃん、私兵庫出身だけど関西弁は後付けなんだって。東京出てきてからお笑い芸人(の、主にツッコミ)から関西弁学んだから、どうしてもドスの効いたこういう口調になっちゃうの」

 

「次はちょっとくらいかわいい言葉で話したいわ~。頼むで仁美…」

 

 

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鷲尾仁美版

オイゼビウスとフロレスタン。*1

 

 

*1:ドイツロマン派の作曲家だったシューマン。彼は自分自身に二人の異なるキャラクターが存在するとし、一人は内面的で瞑想にふける"オイゼビウス"。もう一人は活発で英雄的な"フロレスタン"と名付けられていた。シューマンピアノ曲には二人の名前が付けられた作品が多く見られる他、彼が行っていた音楽評論でも対談という形で二人を口論させたりしていた。