音楽と教養のうれしいサンプルセット♪(『音の教養』コンサートvol.1~クラシック音楽がもっと楽しくなる演奏会レポート)
前回、音の教養という音楽番組について取り上げましたが
先日、番組発&初のコンサートが行われたので行ってきました!
3/13(金)「音の教養」コンサート vol.1 ~クラシック音楽がもっと楽しくなる演奏会~
会場は、JT アートホール アフィニス。
溜池山王駅や虎ノ門駅からほど近くの、いわゆるオフィス街にあるホールです。
外観は大きなオフィスビルという感じなので、はじめて訪れる方はキョロキョロしてしまうかも。
出演者、曲目
(HPより引用、敬称略)
<出演者>
●渡部玄一(チェロ)
●枝並千花(ヴァイオリン)
●難波薫(フルート)
●桑生美千佳(ピアノ)
●Quartett Hymnus(カルテット ヒムヌス)
ー小林朋子(1ヴァイオリン)、山本翔平(2ヴァイオリン)、松井直之(ヴィオラ)、高木慶太(チェロ)
MC:吉田純也
<曲目>
♪ バッハ:「音楽の捧げ物」より トリオソナタ 第1・2楽章
♪マスネ:タイスの瞑想曲
♪ ゴーベール:ファンタジー
♪ スパーク:イナの歌
♪ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68
フルートやヴァイオリン、チェロそれぞれのソロから
弦楽四重奏、そしてピアノ五重奏までを2時間で堪能できてしまうという
贅沢すぎるプログラム!
「室内楽がもっとも幸せな場所」というコピーのあるこのホールで
ずばり室内楽が、しかもいろんな楽器の組み合わせで聴けちゃいました。
出演者のほとんどの方が桐朋学園大学出身(つまり私の先輩ばかり!)でしたし、
枝並千花さんとは去年、MCとして公演に関わらせていただいていたので
そういう意味でもとても楽しみにしていた公演…♪
お客さんは親子連れからおじいちゃんおばあちゃんまで、老若男女幅広い印象でした。
少し着飾っている人もいれば、カジュアルな格好で訪れている人もおり、
その肩肘張らない感じがわたしも気楽でした。
あ、プログラムがですね、ちょっと凝られていて素敵だったんです。
番組のラグジュアリーな雰囲気を纏ったデザインで、
私史上初めての綴じひも付き!
結婚式の席次表みたいで、きゅんとします。
公演内容と私的ハイライト
さあ、MCの吉田さんが登場し、オープニングトークで軽快に笑いを取ってから
公演がスタート。
公演は曲の合間に、渡部さんと吉田さんによる会話形式の解説が挟まれるかたちです。
過去6回の放送の中からの選りすぐりの曲たちを目の当たりにしていると、
カメラは近い距離であったものの、スピーカー越しだった音楽が
"いまこの場所で、奏者によって生み出されているんだ!"という
純粋な感動が湧き上がってきます。
どの演奏も素晴らしかったのですが、このコンサートは後日放送されるようなので、感想を細かに書くことはせず、
私的ハイライトシーンをピックアップしてみます。
◎ヴァイオリンの歌う表現力と超絶技巧、両方の魅力が楽しめる二曲を演奏した枝並さん。
力強い低音と、芯のあるしなやかさを感じさせるビブラートで聴かせてくれたタイスの瞑想曲は、
枝並さんだけにしか歌えないソウルフルな美しさがあり、この曲の新たな一面にはっとさせられました。
そこからがらりと空気を一変させたツィゴイネルワイゼン。ためらいのない弓裁きから生まれる圧倒的な迫力で一気に観客を丸呑みにし、曲がおわるやいなや客席をざわつかせました!
◎弦楽四重奏以外、常に出ずっぱりだったピアノの桑生さんは、相手や曲によって柔軟に音色を変化させる美しい水の精のよう。
柔らかくまろやかにほかの楽器を包み込んでいるのが耳にとても心地よく、桑生さんのもとで私もフルートなどを吹いてみたいと思わせられます。(ピアノ以外弾けないけど…!)
◎そして、渡部さんのチェロの音。…とても深みのある色気に潤っていました…!
恋愛でいうところの"年上男性の包容力"、というものなのでしょうか。
番組での語り口に私の耳が影響されて、というわけでは決してないと思います。
とくに、ポッパーのハンガリー狂詩曲はかっこいいの一言、心が痺れました。
最後のD音にゾクッとするほど。
ぜひ放送か、うーん、何かしらの手段で聴いてみてください!
… ハイライトシーンというには挙げすぎたきらいがありますね。
難波さんがフルートで奏でるファンタジーは夢と現実のはざまを漂うような気持ちになりましたし、カルテット ヒムヌスの演奏は改めて弦楽四重奏作品の奥深さを味わわせてくれましたし、
ああ、全部あげてしまいました。笑
私がすべての奏者から目が離せず、そして壇上トークによって知識欲も高まり、
頭と耳が上質なものでたぷたぷする、そんな贅沢な時間を過ごしたということが
十分にお分かり頂けた、かな…。
アンコールは、最後に演奏されたシューマンのピアノ五重奏より、終楽章の後半部分。
「室内楽の公演はオーケストラ公演やスターソロプレイヤー公演に比べて人気が低いけれど、室内楽も素晴らしい。室内楽をもっと聴いてほしい」
とステージ上でお話ししていた渡部さん。
今までなじみがなかったお客さんも、一晩でこんなにバリエーション豊かな室内楽が聴けて興味をかきたてられなかったはずがない!と思っています。
最後にステージ上に集まって撮影タイム。
晴れやかな笑顔!
クラシック音楽ってどうも取っ掛かりがないんだよね…と普段感じている人にこそ、
いろんな形態の、いろんな時代に作られた音楽に一気に触れられる
このようなコンサートをはじめの1歩にしてもらえたら楽しいんじゃないかな…と思いました。
コスメでいう、サンプルセットのような。たくさんちょっとずつ試せば、自分はなにが"好き!"なのか、感覚がだんだん研ぎ澄まされていくのを実感できるはずです。
そんなことを考えさせてくれたこのコンサートと、番組。
vol.2では一体どんなコンサートになるんだろう。vol.2開催までに番組はどのような視点から音楽をフォーカスしてくれるのだろう?
期待は膨らみます♪
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「音の教養」コンサート vol.1
http://www.theatertv.co.jp/event20150313/
「音の教養」番組まとめページ
http://www.theatertv.co.jp/movie/oto/
ニコニコ動画ページ
http://www.nicovideo.jp/tag/%E9%9F%B3%E3%81%AE%E6%95%99%E9%A4%8A
(番組はニコニコ動画(シアターネットTV)の他に、
スカパー!オンデマンドでも配信中です。
http://vod.skyperfectv.co.jp/channel/ttv)
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さいごにおまけ。
番組のおいしいところをまとめたDVDのお土産をいただきました。パンフレットセットの中に控えめに入っててびっくり。
こういう"家でも余韻を楽しめる特典"嬉しいです♡