JADE Quartet 1st concertれぽ
3月25日。
お世話になっている方に急遽お声掛け頂き、コンサートに伺ってきました( ´ ▽ ` )ノ
サロンのようなサイズ感が魅力的なこの場所で行われたのは、
JADE Quartetという、立上舞さん(vn)、立木理央さん(vn)、叶澤尚子さん(va)、植村葉夏さん(vc) による弦楽四重奏団の1stコンサート。
プログラムには二重奏、三重奏、四重奏とさまざまな編成の曲が取り合わせられ、演奏者がそれぞれ持つ個性の色が 楽曲というパレットの上で多彩に混じり合い、より深みを増していく様を楽しむことができました。
特に印象に残っているのは、マルティヌーを演奏されたヴァイオリンの立上さん。
嗚咽で震える声のようなヴァイオリンの音色が蜃気楼のように空間をぐらりと揺らがせ、
マルティヌーが熱心に集めたというマジャール地方の民謡を まるで現地の人の歌声で聞いているかのような気分にさせられました。
プログラム後半をまるまる使って演奏された、今回の目玉でもあったブラームスの弦楽四重奏曲第二番イ短調。
互いの個性を自然のままに重ね合わせた四重奏が、時に溶け合い、時に火花を散らしてぶつかり合う様子を目の当たりに。しっかりとした楽曲理解をベースとした凜とした響きのなかに女性らしいまろみも感じさせる、本当に素晴らしいものでした。
そして演奏中目が会う度メンバー同士が微笑まれていて、JADE Quartetのみなさんはこの時間とこのメンバーがほんとうに好きなんだなぁと感じさせ、聴いているこちらまでニコニコしてしまいました。
ブラームスのこの曲は全て通して聴くと30分以上も掛かるのですが、高い集中力と緻密な音楽構成で、時間のことなど忘れて聴かせてくれました。弾き終わった後はブラボー!という声もたくさん飛び、終わるや否やお客さんたちが熱っぽく演奏について語り合っていました。
"弦楽四重奏は教養ある知識人たちの心地よい会話である。"
どこかの本で読んで(うろ覚えですが)、なるほどと思っていたこの一節。むずかしいけれども、明瞭。頭を使うけれど、思考が整頓される会話。
上質な弦楽四重奏は聴き手の頭の中まで爽快にしてくれるんだなぁと改めて感じ、スキップしながら帰路に着きました。
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さて、今回のコンサート会場でもあった「バッハはうすコンサートサロン」。
椎名町駅近くに広がる商店街を奥に少しだけ進んだところにある、リハーサルスタジオも兼ねた小さな建物です。
"生活の中に息づくクラシック"を象徴するような素敵な場所。
これからも、大きな会場だけでなく、アットホームな場所で行われる宝石のようなキラキラをご紹介していけたらと思います♪