バスクラリネットとの偶然の出逢い。(「八巻志帆&藤井裕子CD発売記念ミニコンサート」@ヤマハ銀座店レポート)
1月25日、
ヤマハ銀座店のポータルで行われた、
「八巻志帆&藤井裕子 CD発売記念ミニコンサート」
で司会進行、そして壇上インタビュアーを務めさせていただきました。
(私の顔が見えない…ざんねん!笑)
八巻志帆さんは去年、私が初めてピアジュリアンを訪れた日に演奏されていて
そこでご挨拶をさせて頂いたことをきっかけに、お付き合いが始まりました。
私がピアノ専攻卒だったことから、
いつか一緒に何かできたらいいですね^^という、嬉しすぎるお言葉を頂いて。
演奏での共演も実は予定しているのですが (告知はまた近いうちに!笑)
先に司会者として、八巻さんと一緒に空間を創り上げる機会を頂きました。
(演奏中の様子。私も写っちゃってます。)
トランペットやサックスのような煌びやかな響きとは対照的な、
まろみのある、どこまでも深く包み込んでくれるような音色のバスクラリネットで奏でられる
「里の秋」や「宵待草」といった聴きなじみのある唱歌たち。
人間の歌声とも違う、でもその"確実に血の通った声音"は
心の襞にすうっと染み込んできて、
リハーサル中から何度も涙を堪えました。
ゆったりと聴かせるプログラムの合間に光る「リベルタンゴ」や「哀愁のミュゼット」は
先ほど受けた楽器のイメージを覆す、激しい指裁きと息遣いを魅せてくれるリズミカルな楽曲たち。
どんなに情熱的なパッセージを吹いてもどこか控えめで品があり、
そしておしゃれでいつまでも聴いていたくなる音色は、
まるでスパイスの効いたダークチョコレートのよう。
(これは八巻さんが吹いているからこその魅力かもしれない)
藤井裕子さんのピアノ演奏は曲に合わせて感情も歌心も自在に変幻しながら
常にバスクラリネットへ寄り添い、楽曲と、そして両楽器の魅力を極限まで高めているように感じられました。
何よりお二人の息も音楽性もぴったりで、八巻さんが高校生の時から伴奏をしていると聞いて納得…!
『聴いていて落ち着けるアルバムを作りたかった』という八巻さんの想いのきっかけは、東日本大震災。
八巻さんのふるさとである仙台も襲い、震災当時は己の無力さを感じていたそうですが、そんなとき「花は咲く」という楽曲に出会ったんだそうです。
「『花は咲く』の歌詞を知り、被災地の人がどんな思いでこの曲を聴いているのかを考えた時に、こういった名曲を残していくことができるなら、ニューアルバムを制作したいなと思ったんです。」
(※雑誌『the Clarinet vol.53』より)
とコンサートでも語ってから演奏されたそれは、
今も私の頭の中を巡っています。
そしてなんと、この発売記念コンサート
100名以上の方が足を止めて聴いてくださっていたんだとか!
(サイン会中のお二人♪)
ヤマハ銀座店入ってすぐのポータルという場所での開催だったからか、
偶然その場に居合わせたにも関わらず最後まで足を止めて耳を傾けてくださっている方々や、
そのままCDを購入し、お二人とお話を交わしているお客さんがたくさんいる光景を目の当たりにし、
「バスクラリネットの、そして八巻さんと藤井さんの魅力が届いた!」
と、胸が熱くなりました。
私はこういう偶然の出逢いが大好きです。
欲しいものがあれば脇目も振らず、ネットで購入できてしまう時代。
他の情報が視界に入りにくくなっているいま、
偶然が積み重なって生まれた"運命の出逢い"は、とても貴重で特別な記憶を残すと思うのです。
これからも、人と音楽、そしてアーティストの"えんむすび"の場を
たくさん創るお手伝いをしていきたい!
という私の想いを確固たるものにしてくれたコンサートでもありました。
(最後にみなさんで記念撮影♪)
八巻さん、藤井さん、そしてスタッフのみなさん
ありがとうございました!
- アーティスト: 八巻志帆,藤井裕子,岡野貞一,多忠亮,成田為三,G.フォーレ,A.ピアソラ,G.ガーシュウィン,海沼實,滝廉太郎,桑山哲也,M.レーガー
- 出版社/メーカー: ALM RECORDS
- 発売日: 2014/12/07
- メディア: CD
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