音楽系女子のコン活事情

クラシック音楽に興味はあったけど、機会がなかったあなたへ。【コン活(=コンサート鑑賞活動】おすすめします

コーラスグループ・TokyoGleeの公演がアウトリーチっぽくて好きでした(『TokyoGlee第5回リサイタル』レポート)

 

クラシック音楽業界には、「アウトリーチ」というものがあります。

 

アウトリーチについて説明しようとすると、この記事がながーーくなっちゃって

とても読めたものではなくなってしまったので、

詳しく知りたいかたは地域創造さんのサイトをご覧ください。と丸投げする。

 

財団法人 地域創造 -公共ホール音楽活性化アウトリーチ・フォーラム事業

 

一言で表せば、アウトリーチとは、

「学校や公民館などに演奏家がやってきて、そこにいる人たちに音楽を聴かせる」ことです。

 

見慣れた場所で、とても近い距離で、お互いの人柄も感じながら、

楽しいトークとともに、生演奏を楽しむことができる。

 

大きなホールだと、演奏家を遠くに感じるけど、

自分の目の前で冗談を言っていれば、親近感も湧いてくる。

その気さくさが注目され、近年たくさんのところでアウトリーチは行われています。

 

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(出典:http://obu.genki365.net/)

こんな雰囲気です~。学校の音楽室でやってますね。

 

アウトリーチは演奏のスキルだけ求められるのではなく、

コミュニケーション力や知識力など、「人としての総合的な能力」が必要。

そのため、コツを掴み、場数を踏まないと難しいと感じる演奏家のかたも多いそうです。

(ピアニストの清塚信也さんとか、素晴らしいアウトリーチをされるんだろうな~)

 

で、どうしてアウトリーチの話ではじめたかというと、

この前伺ったTheGLEEさんの公演で、アウトリーチをとても上手にされそうなグループを見つけたからでした。

 

名前は、ずばり「TokyoGlee」。

ピンとくるとおり、ライブホール・TheGLEEさん発のコーラスグループ!

 

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声楽にはとてもこだわりのある、TheGLEEの社長自らが選出しただけあり、

メンバーには芸大、国立、東京音大などを卒業し、今も研鑽を積んでいる若手実力派たちが揃っています。

 

開演前に配られたプログラムには、

ニックネームや特技、一言など、メンバーの個性が分かるQ&Aがずらり。

大所帯のグループですが、これで一人ひとりのことをバッチリ覚えることができました。

 

歌われる曲たちは、作曲家の横山淳さんによってTokyoGleeのためにアレンジされています。

さらには、彼らのために書き下ろされたオリジナル楽曲まで。

 

衣装やステージングにもそれぞれプロデューサーがいるのが分かり、

作りこまれたエンターテインメントの予感に、始まる前からワクワクでした。

 

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公演がはじまって、ばっと11人が横一杯に整列!

全員が一斉に、朗らかに歌い上げてくれると、こちらまで元気がみなぎってくるよう。

(座っていた場所の問題で、向かって右の端にいた松井さんのお顔が全然見えず、写真にも写すことができなかった…申し訳ない…!)

 

伴奏として、ピアノだけじゃなく、チェロがいたのも印象的。

「12人目の歌声」として、音が朗々と響いていました。

そっと寄り添うように流れる、ピアノの音色も心地よい。

 

今回のプログラムは、「川の流れのように」や「たしかなこと」など、聴きなれたポップスが中心。

変わり種として、ドビュッシーの「ゴリウォークのケークウォーク」が歌われたり、

女性陣で「キューティーハニー」を振り付き(!)で歌ったり、(ノリノリだけど、みなさんちょっと照れててかわいかった…!)

はたまた、男性陣が「少年時代」をアカペラでしっとり披露してくれたりも。

 

緩急ある選曲と、目も耳も楽しませてくれるプログラムで、

ニコニコしているうちにあっという間に前半が終わってしまいました。

お客さんとTokyoGleeの心の距離が、とても近いように感じました。

 

MCでも、専門用語である「バリトン」を

「ベース」と、わかりやすい言葉に換えているシーンがあって、

お客さんのことを考えているからこそできる、細かな配慮が光っていました。

 

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後半は、ピアノとチェロによる「タイスの瞑想曲」でしっとりした空気を誘ってから、

先程ちらっと触れた、彼らのオリジナル曲へ。

 

TokyoGleeのために作曲されたという「組曲―すべてがいのちの物語―」(松井五郎 作詞・服部克久 作曲)は、

ハーモニーが綺麗な曲で、とても聴きやすく感じました。

朗読つきの曲だからか、言葉がよりストレートに心に飛び込んでくるようでした。

 

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ハイレゾミュージックカードも売っていました! 

  

どの曲を歌うときも、メンバー11人の声のバランスが絶妙で

重なるハーモニーに耳が癒されました。

 

エンタメ性も芸術性もバランスよく兼ね備えている彼らが、自分の住む場所へアウトリーチに来てくれたら、

きっと、どのアーティストにもまして、親しみを感じられるはず。

飲み友達にだってなれそうな雰囲気さえありますもん。みなさん。

 

「たくさんの人を一気に惹きつけること」って、意外と難しい。

お客さんを楽しませる工夫が凝らされたTokyoGleeの公演には

さまざまなヒントが隠されていました。

 

TheGleeでの次回公演も決まっていて、日にちは8月23日。

お昼と夜、2回公演を敢行するらしいです。

 

コンサート詳細は、TheGleeホームページまで。

 

 

ぜひ、目の当たりにしてみてください~!