音大オケばかり聴いてた私が「東大オケ」を聴いて新鮮だったこと(東京大学音楽部管弦楽団サマーコンサート2015東京公演)
この前お会いした @korominlife_07 ちゃんとのご縁もあって、
東京大学音楽部管弦楽団(通称・東大オケ)の東京公演(8/7)を聴いてきました~♪
場所は池袋の芸術劇場・大ホール。
芸劇でははじめて、顔に舞台照明が当たる距離での鑑賞でした。
(オケの皆さんにも私の顔が丸見え…なんか緊張。)
東大オケの演奏、CDでは聴かせていただいてたのですが、
オーケストラメンバーの表情を見ながらだと新たな発見も多かったので、まずは視覚で印象的だったことを。
みんな、顔つきと雰囲気がまじめそのもの!!!(特に男の子…!)
そりゃあ学校のパブリックイメージ的に、学生はまじめだろうことくらいわかっているのですが
音大のオケなら木管パートにいそうな雰囲気を持った男子たちが、
全パートにまんべんなくいるのが個人的に衝撃でした。
木管の男の子のイメージは、のだめのキャストで言うとこの人たち。
(オーボエ)
(オーボエ)
(クラリネット)
…なんとなく、傾向ってありますよね?
◇ ◇ ◇
曲目は、モーツァルト、リヒャルト・シュトラウス、ブラームスからなる、オールドイツプログラム。
どの曲もカッチリと決めてきてました。いぶし銀な指揮者・三石精一氏の指示が隅々まできちんと行きわたっている印象。
指示はきちんと聞いているけれど、決して指揮者のイエスマンではなく
団員みんなが知的好奇心とワクワクを持ち、曲の1節1節と向き合っているのが感じられる演奏でした。
たまに音の重なりがズレるけど、それは初心者から経験者まで集めているが故なんでしょう。
実際、プログラムノートの視点も多角的で、読み物として面白かったのですが
書いている人だけではなく、みんながこの知識を共有しているんだろうな~。
◇ ◇ ◇
1曲1曲の演奏内容を詳細に語るのは、音楽評論家にお任せするとして。
私は、シュトラウス最後で拍に合わせて首をぶんぶん振ってるチェロのめがねくん(ま、まじめ…!)が気になったので、ここに記しておきます。笑
あと、ブラームスの終楽章ラスト。百戦錬磨のプロオケが奏でる熟成された威厳の響きではなく、ひたすら熱情に突き動かされた渦のような盛り上がり!
このひたむきなアツさは、年齢の若い学生オケならではなのかなと思いました。
◇ ◇ ◇
そして、これは刷り込みイメージの感想ではないと信じたいのだけど。笑
ドイツものが東大生とめっちゃ合う!
ドイツの国民性といえば、『真面目で勤勉』とはよく言われているところ。
日本の最高学府に入るには、誘惑の多い多感な思春期に ストイックに勉強を頑張らなければいけません。
根がまじめじゃないと、できないと思うんですね。
だから、真面目と言われるドイツ人の作品を真面目な(イメージのある)彼らが演奏することで、
楽曲本来の色と、東大オケの個性が綺麗にまじりあっているように感じました。
髪も染めてないどころか、ワックスもつけていない(男子)団員の朴訥とした感じがまた似合ってるんだ。
(この記事を読んだ @korominlife_07 ちゃん曰く、「ヴァイオリンパートにはワックスつけてる男子もいますよ~!」とのこと。ここにも楽器別の特徴が…!)
アンコールで演奏されたブラームスのハンガリー舞曲第6番も、本能に任せたお祭り騒ぎではなく、あくまでがっちりと決め込んだブラームススタイル。
眉根をキリッと寄せ、口を一文字に結んだ団員たちが ノリノリな民族舞曲を演奏している様はなんだか面白くもあり
同時に「これがドイツ人の舞踊だ!」と言われているようで、とても新鮮でした。
(私はついお祭り騒ぎに演奏してしまうタイプなので…。)
見た目や学校名で耳を誤魔化されてるんじゃねえよ!という声も聞こえてきそうですが
奏者たちの生活している環境や普段見聞きしているものって、多少なりとも演奏に滲み出てくると思っています。
にんげんだもの。嘘だと思ったら、一度公演を聴いてみてください!(まだツアー残ってますよ~!)
◇ ◇ ◇
コンサートの最後には、毎回恒例(らしい)、客席も巻き込んでの「歌声ひびく野に山に」輪唱。
オーケストラの優しい伴奏の上に、客席からふんわりと声が立ち昇っていくのは癖になりそう。
素敵な演出に見送られ、あたたかい気持ちと共に帰宅の途につきました。
◇ ◇ ◇
…しかし、しかしですよ。
ここまで書いててアレなんですが、
この真面目さは東大オケがもともと持つ個性なのか、それとも頭脳派集団がドイツ音楽に合わせた巧みな演技なのか…。
検証すべく、フランスものも聴いてみたくなったところで、今度の定期はオールフランスプログラムらしいです。気になる。
それに、東大には他にもいくつかオーケストラがあるんですよね。
それぞれカラーがどう違うのかもとっても気になります。
これを皮切りに、大学オケの世界にも潜っていきたい…!
(メモ:客層は小学校低学年~80代まで万遍なくて、業界関係者から見てとても理想的でした。)