音楽系女子のコン活事情

クラシック音楽に興味はあったけど、機会がなかったあなたへ。【コン活(=コンサート鑑賞活動】おすすめします

ベートーヴェン『運命』がサンバ…?「ジャズ界のレジェンド」のクラシック音楽観がなんか面白かった

 

 

お世話になっている音楽ホール「TheGlee」のかたから、

「5月24日、『デビッド・マシューズ』という、ジャズ界のレジェンドに登場してもらう。とても力の入った公演なので、ぜひ観に来てほしい」

と、お誘いを頂きました。

 

http://theglee.jp/wp-content/uploads/2015/03/David-Matthews-688x390.jpg*1

 

 

しばらく悩んで考えて、返信。

「あの、私、ジャズは全然詳しくないし、

せっかくお呼び頂いても、ツウを唸らせるようなレポートなんて書けそうにないのですが…。」

 

違うんだよ、と社員さん。

 

「君を呼んでるのは、クラシック音楽ファンにも彼のサウンドを聴いてみてほしいから。

マシューズは、クラシック楽曲をアレンジしたアルバムも出しているからね」

 

え、クラシック楽曲をアレンジ?

 

 

そもそも、デビッド・マシューズとは。

数々のヒットを飛ばし、グラミー賞も3度受賞しているジャズアレンジャーです。

アメリカ音楽界で不動の地位を確立しているだけでなく、

1984年に出したデビューアルバムは日本でもヒット。以降、よく来日していることから

「日本のジャズシーンにおいて、最もポピュラーな人物」と称されている…らしいです。

申し訳ないのですが、私は存じ上げませんでした…。ブログで嘘言っても仕方ないので正直に。

 

そこで、ひとまず彼のアルバムを聴いてみることに。

やはり興味はクラシック音楽アレンジなので、これを。

 

 

アルバムタイトル、「ボレロ」!

ラヴェル作曲のアレですね。もう、そのまんま。

ジャケットもなんだかクラシックみたいです。

 

聴いてみてびっくり。

1曲目の「ツァラトゥストラはかく語りき」、もしかしてこれは言われなければ気付けないかも、というくらいさりげない出だし。

タイトルにもなっているボレロなんて、テーマの輪郭を見せながらもどんどん浮遊していきます。

そして極めつけは、ベートーヴェン「運命」のテーマを支える、サンバのリズム!

サンバ…!?

 

どの楽曲も似たり寄ったりすることが一切なく、確実に”別モノ”へと変身させています。繰り返し聴くうちに、どんどん驚きが増えていくよう。新鮮で面白い・・・!

 

「一体なにを考えて、このアレンジに至ったのだろう?」と思って調べてみたら、インタビューが出てきました。

 

ジャズシーンを代表するアレンジャー、デビッド・マシューズが語る「サウンド」とは? (1/4) - Phile-web

 

一部引用します。

クラシック楽曲をアレンジすることについて、大胆意見が。

 

各楽曲のイントロの部分はすごく有名で誰でも知っているようなものですが、「真ん中の部分というのは意外と知られていないんじゃないか」と思ったんです。だから「じゃあ、誰も知らない部分は作ってしまおう」と。だからテーマ以外はマシューズ・オリジナルです。

 

すごい!思いきっています。

無理せずおこなった自由なアレンジが、あのボレロを生み出していたのですね…。

クラシック音楽になじみのある私には、その「知られていない」真ん中の部分が、むしろ新鮮に感じられて面白いです。

「あれ、シュークリームのつもりで食べたら、中身カスタードじゃない!」みたいな。

 

クラシック楽曲を大胆に変えてしまうことについては、

 

それぞれの作曲家がどう思うかなんて分かりませんが、もし自分の作品を誰かがその人色に染めてくれたとしたら、自分は幸せだと思います。

 

もしかしたら一般的なクラシックファンが聴くと怒ってしまう人もいるかもしれませんが、個人的には非常にハッピーになれたので大変気に入っています。 

 

 と、朗らか。

「なんとなくクラシック音楽を選んだ」わけではないからこそ、アレンジされた曲それぞれが、ユニークなカラーを持って聞こえるのでしょう。

 

今回はこのCDを出した「マンハッタンジャズ・オーケストラ」バンドとしての来日ではないので、実際クラシック音楽のアレンジをやってくれるのかは謎ですが、

(語りつくしましたが…。笑)

社員さんによると、ライブのセットリストにジャズ・スタンダードナンバーを多く取り入れてもらう予定らしく、ジャズにあまり接点のなかった私でも、聴きやすそうです。

 

ところで、マシューズ氏。

 

大の親日家で、来日数は70回を超える。NYのベルリッツで習っていた日本語は本格的。会話はもちろん、ひらがな、カタカナの読み書きもできる。"熱燗"と"あじのたたき"が大好物で、新宿の"思い出横丁"の常連でもある。*2

 

すごい、熱燗とあじのたたきが好きなんてオヤジくさい…!笑

(うーむ、好みが合う。)

MCでは彼の日本語も聞けるのでしょうか。日本酒を差し入れしたら喜んでいただけるかもですね。

 

 

開催は今週末の日曜日5月24日、昼公演と夜公演の2回。

社員さんいわく、「ほんの少しだけ座席が残っている」とのことなので、興味を持たれたかたはぜひぜひ。

 

公演詳細とチケットのお求めは下記リンクから。

当日のライブ模様を収録したハイレゾ音源も、お土産についてくるそうです。

 

theglee.jp

 

私は夜、行きまーす♪